計算論的神経科学 - 神経科学の歴史とDavid Marrの三レベル をみた。

講義

www.youtube.com

計算論的神経科学(computational neuroscience)

脳の中でどのような情報処理が行われているかを議論する学問。認知科学人工知能と近い。

David Marr's tri-levels of computational neuroscience

  • Computational level

    • what does the system do (e.g.: what problems does it solve or overcome) and similarly, why does it do these things
    • 最適化の評価関数を決める
  • Algorithmic/representational level

    • how does the system do what it does, specifically, what representations does it use and what processes does it employ to build and manipulate the representations
    • 事象をどう表現(数式化、数値化)するか決める
  • Implementational/physical level

    • how is the system physically realized (in the case of biological vision, what neural structures and neuronal activities implement the visual system)
    • 脳のどの部位がどの計算をしているかを決める

強化学習の例(David Marr's tri-levels of computational neuroscience)

  • Computational level

    • Maximize the future rewards.
    • : (行動経済学の)報酬。大きいと将来の報酬のために今の報酬を我慢しやすい。小さいと将来の報酬より今の報酬を優先する。割引報酬和が発散しないように、1より小さい数値が入る。
  • Algorithmic/representational level

    • Learning how to maximize the reward using a reward-prediction error.
    • : Actual reward
    • : Predicted reward
    • 学習は、報酬そのものではなく、報酬の予測誤差になっている。報酬の期待値からのズレが学習になる。
    • 脳は常に予測している。
  • Implementational/physical level

    • Dopamine neurons in the basal ganglia.
    • 猿に餌を与える場合、餌を与えた直後が活性化する。
    • 光を出して猿に餌を与える場合、光を出したあとが活性化するが、実際に餌をもらえたときは活性化しない。(古典的条件付け)
    • 光を出して猿に餌を与えない場合、光を出したあとが同じくらい活性化するが、餌をもらえる場所で活性が負になる。

『自閉症の僕が跳びはねる理由』をみた。

ひとこと紹介

自閉症の人が書いた本。自閉症患者の心理が書かれているのが希少らしい。

購入動機

自閉症ってどんな感じなの、と思って買った。

所感

生きてて自閉症患者と接していることを意識することってなかったから、自閉症患者の心理より、正直自閉症の症状自体が「へー」という感じだった。コミュニケーションを継続するのが難しい病気なので、症状が重くなるとサポートなしに社会生活を送るのは難しそうだ。電車でたまに大声で叫んでる人がいるけど、多分自閉症の人なんだろうな。ひとりでいるということは一応社会生活送れると診断されたんだろうけど。

本書には作者が自分の気持ちを書いているが、自閉症患者すべてがそういう感情の傾向がある訳ではない。行動と感情が一致しないことがあるし、行動に何らかの理由があり、患者の中でコントロールできないこととコントロールできることがあるということは分かったかな。普通の人は行動や発言からその人の気持ちをある程度類推できるが、自閉症患者の場合、通常の類推は通用しないというの分かった。

個人的には、自閉症患者は最近あらわれた的な記述があったことが気になる。

『チームのことだけ、考えた。』をみた。

ひとこと紹介

グループウェアで世界一になるために多様性を受け入れるチームを作るべくがんばっていますという話。

購入動機

サイボウズの人が本書いたり大学の講義をしてたりするのをみて、気になった。

所感

自然が多様性を持つのは全滅を避けるための戦略だが、組織運営における多様性はそれをぱくったもので、適度な新陳代謝を保ちながら人の多様性を受け入れることで、比較的安定した環境で、適度に新鮮なプラスの刺激を得られることを目的としている。人の出入りが突然変異による新陳代謝と対応しているのだが、比較的安定した新陳代謝が繰り返されたとしても、必ずしもプラスの刺激が得られるとは限らない。サイボウズはこれからイノベーションをどうやって起こすかにフォーカスしていくことになるんだろうな。

個人的には、多様性は環境因子で、そこまでいいものでも悪いものでもないと思ってる。重要なのは「新しく優秀な人が入ってくること」「それによって、製品の体験に変化があること」「それによって、使ってくれる人が増えること」で、使ってくれる人が増える手を打てないと目標を達成できないから。とか考えてしまうのは、外部からの環境因子で内部因子にそこまで変化がないと思うからで、安定した環境に慣れた内部因子は特に変化しにくくなるからだ。内部因子自身に変化を求めないのであれば、安定しすぎた内部因子を捨てないといけないから。製品にとって安定した内部因子がどれくらい必要で、不安定な外部因子がどれくらい必要かが課題だが、多様性以外の別の要素が必要だよねと思う。

『ダブル・キャスト』をみた。

ひとこと紹介

ふたりの涼介が亜季を守る話。

購入動機

久しぶりに小説を読みたい気分になってなんとなく手に取った。ラノベとかに近い感じのがよかったから。『タイム・リープ あしたはきのう』も『ルナル・サーガ』も『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』も手元にないので。

所感

タイム・リープ あしたはきのう』を書いた作者のこのタイトルなので、出落ち感満載だw時間移動ものは視点を変えるだけで楽しめるので、それはいいけど、世の中的にはありきたりな方だった気がする。タイム・リープの方が新鮮だったかな。やっぱ作者は、女性を魅力的に描くよね。最初から最後まで亜季が光ってた。ストーリーはよめたので、亜季の描写だけ興味持ってみてた。

余談だけど、昔ほど話にのめりこなくなったな。としとった。

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』をみた。

ひとこと紹介

マッキンゼーで働き、イェール大学脳神経科学プログラムで学位を取得した著者が、いっぱい問題を解くことよりも、いい解法を積み重ねることよりも、イシューの質を上げることが大切だとする話。

購入動機

『先ず隗より始めよ』のパクリだと思ったのがきっかけw

所感

まず、いい問題を設定し、問題を分析し、仮説を立て、ストーリーを構築し、アウトプットを作成し、メッセージを込める。人に説明し、納得してもらうプロセスではこのステップを経るが、なによりいい問題(イシュー)を設定するのが大切なんだという。

「いい問が重要」「いっぱい問題を解いて生産性を上げるのは犬の道」というのを最近身体で思い知ったので、「あぁそうだねぇ」という感じだった。

しかし、なんかふわっとしてる感じがする本だよな。『具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ』もふわっとしてた。俺が年取ってこの辺は一通り経験したからか?

『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』をみた。

インスタントフィクションの中で、髑髏万博先生の解釈を第三者にみせる企画があるんだけど、その中で髑髏先生が「一度で終わらず二度三度読むというのがより読書がおもしろくなる秘訣」とコメントしたのを受けて、別のタレントがこの本に言及していたのでみた。

7回読みは、最初は見出しのつながりを意識して読んで、2回目から中身を読み始め、4回目からキーワードを意識し、6回目からキーワードのそのつながりを意識し始め、7回目からディテールを読み込むような感じらしい。一方、髑髏先生のいう再読は、複数回読むことを通じて、前回とは違う見え方や疑問の持ち方ができるようになるという感じ。前者は認知過程を全体把握に利用しているのに対して、後者は解釈の観点を増やすのに利用している。

俺は再読はほとんどしないが、もしあれば、おもしろかったり興味深かったりするものに限定したいな。